違いを探す旅 第6回 イタリアの魅力が凝縮された小都市パルム  

  


 

 

ディジョンから夜21時過ぎの寝台列車に乗車。清潔な特殊リサイクルシーツを広げて、横になり、目覚めると、オペラ調の言葉が飛び交う異国に着いていた。 

朝、6時前。夏の少し湿った冷んやりした空気に触れて降り立った駅は、ミラノ(写真左 欧州鉄道網の重要な幹線駅である、ミラノ中央駅)。

まるで、ルーブル美術館の1画にカフェコーナーを作ったかのような大彫刻を目にしながら、駅構内で甘めのクロワッサンと本格エスプレッソの朝食。ローカル線でさらに1時間ほど、のんびりとしたイタリアの田舎風景を見ているうちに目的地のパルマに到着した。

       
 


 

 

 

パルマの語源はラテン語で“円形の盾”。イタリア語では“聞く”をさす。今はボローニャを首都にするエミリア・ロマーニャ州に属しているが、16世紀半ばから19世紀のイタリア統一までは、この街は、パルマ公国の首都であった。州都に定められたのは774年。パルマ大学は、世界最古の大学の一つであり、1502年に創立されている。街の中央に位置するパルム大聖堂は、1170年に原型が、完成。スタンダールの“パルムの僧院”にも登場している。扉を開けるや聖堂内は、寸分の隙間なく装飾が施されており、こちらは、ヴェズレーのセント・マドレーヌ大聖堂の対極にある。ブラック&ゴールドの装飾で、ベルサーチ風な祈祷台も、いかにも“イタリア”だ。同じカトリックの大聖堂でもお国が変わると、こうなるのかと思わず、感心してしまう(写真左)。

       
 


 


パルマの旅の目的は、コンサートだったが、ジャンボン・パルマで名高い生ハムやパルマが由来のパルメザンチーズなどお馴染みの食材のルーツでもある美食の街。老舗の風格あるハム専門店が目に付く。また、中世にカトリックの隆盛とともに栄えた街らしく、あちこちに美しい建築物が目につき、散歩していると時間を忘れてしまう(写真左上 ハム専門店、写真左下 街風景)。

       
 


 

 

 

夕食は、宿のマダムの一押しのトラットリア・アル・トリビネルへ。自家製のフレッシュ・フィトチーネのレモンクリームソースは、シンプルだが、生麺と良質のレモンクリームの調和が絶品だ。  

エミリア州は、赤ワインの発砲酒ランブルスコが生産される地方。NHKでも紹介されたいう、パルマっ子が集まるワインバーでここでしか飲めないビオのランブルスコを味わった。芳醇な葡萄の香り溢れるランブルスコを飲みながら、夏の夜が更けるまで語りあかす人達で通りは賑わっていた(写真左 ワインバー)。

写真クレジット:ペコン倫子(無断福複写、複製を禁じます)