違いを探す旅 第2回 我が街 
DIJONディジョン 
   

 


進化を続ける街

ディジョンの紹介は、様々なガイドブックで既に記載されている通り、14~15世紀ブルゴーニュ公国として栄えた街である。現在、周辺都市を合わせると人口25万人、フランスでは20番目の規模となっている。
通貨統一、ユーロ誕生の直前、1999年秋にディジョンに到着した私は、現在までの16年間、この街のドラスティックな変化を体感しながら、フランス語で生活するという、ゼロからの新しい人生を始めた。

2001年3月18日、市長選挙で、1935年から政治を牛耳っていた右派が、4%差で敗れた。この夜は、僕の友人が市長になった!と歓喜した人々でバーは、大いに賑わった。とりわけ、フランス映画の俳優顔負けのルックスだったレブサマンへの女性票の貢献は大きかった。
こうして66年ぶりに左派出身の社会派市長フランソワ・レブサマンが誕生した。フランスでは、政治も企業もそうだが、人事が変わるということは、文字通り「変化」が起こると同義語でなければいけない。以降、15年間で街の開放性、共存性、快適性、機動性などが、大きく改善され、住民を魅了している。レブサマンは、仏大統領選の選挙対策委員長、労働大臣を経て、現在も市長として、変革を継続している。

(写真左)レブサマン市長

       
 

 
 
(写真左)
昔はただの駐車場だったが、憩いの広場として賑わう
旧ブルゴーニュ公宮殿前のリベルテ広場
       
 




 

(写真左)旧ブルゴーニュ公宮殿の右翼にあるディジョン美術館(入場無料)。
フィリップ豪胆公と息子・ジャン無畏公の墓が納められた「衛兵の間」

       
 

 
 

 
(写真左)市内を回るナベット・バス

朝7時から20時まで7分間隔でこのかわいい、明るいミニバスが街の中心を循環している。お年寄りや妊婦、子供づれの親子などの外出の味方だ。もちろんすべての人が対象で、こちらも無料!

 

       
 
 
 


スポーツ・文化施設の充実

発足時に日本のJリーガーだった松井選手が在籍したディジョンのサッカーチームは、年々実力が上がっており、ディジョンのプロバスケットチームは、国内有数の位置についている。
一方、音楽施設では、フランス内でも最高レベルの音響と評価されるコンサートホール「オディトリウム」を持つ。東京、大阪、京都の近代的で高品質な音響設備を持つ日本の著名ホールに決して引けをとらない。外観、内観の両面で美しい設計に圧倒される。「オディトリウム」は街の中心から徒歩、またはトラムで数分の位置にある。
(写真左)道路の上にまたがるオディトリウムの近代的建築

       
     


2015
年、ブルゴーニュのクリマが世界遺産に認定

ブルゴーニュの気候と格調高い味わいを生み出す、複雑に細かく分かれるぶどう畑が、昨年、世界遺産に認定された。そして、2018年にはフランス内で4都市のみに選定されたシテ・インターナショナル・ガストロノミーの完成も控えている。
ディジョンは、世界の人々を迎える受け入れるブルゴーニュの玄関口(パリ・シャルルドゴール空港から直通のTGVで1時間45分)として、そのハード・ソフト面共にさらに整備を進めている。観光大国であるフランスの威信をかけても、世界遺産を勝ち取ったディジョンは、観光都市として躍進しないといけないからだ。そんな背景をひしひしと感じるのが、観光局のホームページの充実ぶり。ツーリスト向けの情報はもちろん、ツーリズム関係者を指導する研修も様々と用意されており、意気込みが伝わる。

(写真左)ブルゴーニュのぶどう畑

       
 


 


快適なフランス式民宿も急増

不可欠であるホテルについては、星付きホテルが、次々と改築される一方で、割安でアットホームな宿泊先ともいえる、フランス人家庭に泊まる“シャンブル・ドット”も増えている。
高級住宅地である隣接のタラン市にあるシャンブル・ドットを訪れてみた。こちらは、自宅内の子供部屋2室を1室に完全にリニューアルし、昨年、オープンしたばかりだ。旅行好きだったジャン・マリとジュヌヴィエーブ夫妻が温かく迎えてくれた。趣味でパン職人の資格をとったという、ジャン・マリは、パン粉選びからこだわり、彼のパンやブリオッシュ、パンデピスは、すべて手作り。そこにジュヌヴィエーブのお手製ジャムに絞りたてのオレンジジュースが添えられる。基本は朝食のみだが、リクエストに応じてブルゴーニュ料理教室&夕食もOK。レッスンは仏語または英語だが、日本語のレシピを用意しますよ!とほほ笑む。いつもの旅のスケジュールを少し緩めて、“通過者”から、“疑似生活体験者”へ。ディジョンは、そんな貴方を温かく、歓迎するはずだ。

 

(写真左上)高品質のマットレスが安らかな眠りに誘うと好評なベットのある寝室

(写真左下)オール手作りの朝食!

写真クレジット:ペコン倫子、エクランドゥフランス(無断複写・複製を禁じます)